「在庫管理をExcelで行っているが、ミスが多くて困っている」
「紙台帳からデジタル化したいが、何から始めればいいか分からない」
こうした課題を抱える中小企業・製造業・小売業の担当者は少なくありません。
そこで注目されているのが、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型業務アプリ開発プラットフォーム「kintone(キントーン)」です。kintoneは、プログラミングの知識がなくても、ノーコードで業務アプリを構築できる点が大きな特徴で、在庫管理の分野でも多くの企業が活用しています。
本記事では、kintoneを使った在庫管理システムの構築方法を、具体的な手順・メリット・プラグイン・注意点まで徹底的に解説します。kintone導入を検討中の方はもちろん、現状の在庫管理に課題を感じている方もぜひ最後までご覧ください。
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📋この記事でわかること
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目次
そもそも在庫管理の何が課題なのか?
kintoneの話をする前に、まず従来の在庫管理が抱える典型的な問題点を整理しましょう。
| 管理方法 | 主な課題 |
|---|---|
| 紙台帳・メモ | リアルタイム把握が困難、転記ミスが多発、紛失リスクがある |
| Excel管理 | 同時編集ができない、数式が崩れる、担当者しか分からない |
| 既製品システム | カスタマイズ性が低い、費用が高額、使いにくい画面 |
| 属人化した管理 | 担当者不在時に業務が止まる、引き継ぎが困難 |
特に中小企業では、「Excelのバージョン管理」「入力ミスによる欠品・過剰在庫」「棚卸作業の工数増大」という3つの問題が深刻です。これらを根本的に解決するのが、kintoneによる在庫管理システムの構築です。
kintoneで在庫管理ができる理由とは?
kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型業務アプリ開発プラットフォームです。特徴は「ノーコード・ローコードで業務アプリを自由に作れる」こと。在庫管理専用のパッケージシステムと違い、自社の業務フローに合わせて柔軟にカスタマイズできます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社 | サイボウズ株式会社 |
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料金プラン(税抜・月額) |
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無料トライアル |
30日間無料トライアルあり |
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動作環境 |
クラウド型(インターネット環境があれば利用可能) |
| モバイル対応 | スマートフォン・タブレットからも利用可能 |
| 最低契約人数 | 10名から(ライト・スタンダード) |
kintoneには公式のサンプルアプリとして「製品在庫管理パック」が用意されており、これを活用することで手軽に在庫管理の基本的な仕組みを構築することができます。
kintoneで在庫管理を行う5つのメリット
kintoneで在庫管理システムを構築する主なメリットを5つ紹介します。
メリット①在庫状況をリアルタイムで一元把握できる
kintoneはクラウドサービスです。インターネット環境があれば、スマートフォン・タブレット・PC、どこからでも最新の在庫情報を確認できます。倉庫現場での入出庫登録とオフィスでの確認を、同じシステム上でリアルタイムに実現できます。
メリット②人的ミスの削減・欠品防止につながる
手書きやExcel管理では避けられなかった転記ミスや計算ミスを、kintoneの自動計算・必須入力フィールドの設定で防止できます。また、在庫数が一定数以下になったときにリマインダー通知を設定することで、発注漏れによる欠品リスクを大幅に低減できます。
メリット③ノーコードで自社の業務フローに合わせてカスタマイズできる
既製品の在庫管理システムは機能が固定されており、自社業務とのズレが生じることがあります。kintoneはドラッグ&ドロップの直感的な操作でフィールドを追加・削除・変更でき、自社の業務フローに最適化したシステムを低コストで構築できます。
メリット④他の業務システムと連携・一元管理ができる
kintoneは在庫管理だけでなく、受発注管理・顧客管理・プロジェクト管理など複数のアプリを横断して連携できます。在庫情報と発注管理・売上情報をひとつのプラットフォームで管理することで、業務効率が劇的に向上します。
メリット⑤低コストで導入・スケールアップが可能
高額な専用パッケージシステムと比較して、kintoneは月額1,800円(スタンダートコース)〜の低コスト(税抜)で導入できます。利用人数が増えても柔軟に拡張でき、初期投資を抑えながらDXを推進できる点が中小企業に支持される理由のひとつです。
kintoneで在庫管理システムを構築する方法(ステップ別解説)
STEP1:必要なアプリ構成を理解する
kintoneで在庫管理を行うには、複数のアプリを組み合わせて運用するのが基本です。標準的な構成は以下の通りです。
| アプリ名 | 役割・内容 |
|---|---|
| 商品マスタアプリ | 商品コード、商品名、単価、カテゴリなど基本情報を管理 |
| 入庫管理アプリ | 仕入れ・受け取りの入庫情報(日時・数量・担当者)を記録 |
| 出庫管理アプリ | 出荷・払い出しの出庫情報(日時・数量・出荷先)を記録 |
| 在庫管理アプリ | 現在の在庫数を一元管理。入出庫データと連動して自動更新 |
| 棚卸アプリ(任意) | 定期棚卸時の実地数量入力・差異確認・調整に使用 |
STEP2:商品マスタアプリを作成する
まず商品情報の「マスタ」となるアプリを作成します。kintoneのアプリ作成画面から「はじめから作成」または「サンプルアプリを使用」を選択し、以下のフィールドを設定します。
- 商品コード(テキストフィールド)
- 商品名(テキストフィールド)
- カテゴリ・分類(ドロップダウンフィールド)
- 仕入単価(数値フィールド)
- 在庫アラート数(数値フィールド):この数値以下で通知
- 備考(テキストエリアフィールド)
STEP3:入出庫管理アプリを作成し、マスタと連携させる
入庫管理アプリ・出庫管理アプリをそれぞれ作成し、商品マスタとは「ルックアップフィールド」で連携します。商品名を選択すると商品コードや単価が自動転記される仕組みです。
ポイント:複数倉庫・店舗で管理する場合
店舗・倉庫ごとに在庫を分けて管理する場合は、入庫管理アプリ・出庫管理アプリに「ロケーションフィールド(入庫先マスタとのルックアップ)」を追加することで、複数拠点の在庫を一元管理することができます。
STEP4:在庫管理アプリで在庫数を自動計算する
在庫管理アプリでは、「入庫数の合計−出庫数の合計=現在庫数」の計算式を「関連レコード」と「計算フィールド」を使って実装します。
注意:kintoneの標準機能では、関連レコードを使ったリアルタイム集計に制限があります。複数人が同時に入出庫を処理する環境では、プラグインの活用が推奨されます(詳細は次章で解説)。
STEP5:棚卸アプリと通知設定で運用を完成させる
月次・期末の棚卸に対応するため、棚卸アプリを作成し、実地数量を入力するだけで理論在庫との差異が分かる仕組みを整えます。また、在庫数アラートのリマインダー通知を設定することで、欠品防止の自動化が実現します。
kintone在庫管理で活用できるおすすめプラグイン4選
標準機能だけでは対応が難しい複雑な在庫管理ニーズには、プラグイン(拡張機能)の活用が有効です。代表的なプラグインを3つ紹介します。
①在庫管理プラグイン
合同会社ぱんだ商会(TIS)が提供する「在庫管理プラグイン」は、kintone向け在庫管理プラグインの中でも特に導入実績が多い無料プラグインです。商品マスタアプリと入出庫アプリを組み合わせることで、理論在庫数の自動算出・発注点アラート・棚卸補助・在庫評価額算出まで対応しています。まず試してみたい方に最適です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 合同会社ぱんだ商会(TIS) |
| 公式URL | https://www.tis2010.jp/itemstock/ |
| 費用 | 無料(ダウンロードして利用) |
| 主な機能 | 入出庫の自動集計・発注点アラート表示・棚卸補助・在庫評価額算出 |
| 対象 | 製造業・小売業・倉庫管理など幅広い業種向け。シンプルな在庫管理から始めたい場合に最適 |
②入出庫管理プラグイン
株式会社キャップドゥー・ジャパンが提供する「入出庫管理プラグイン(KAIZENプラグインNo.19)」は、在庫の差し引き計算・倉庫/店舗分け管理・在庫評価に対応した有料プラグインです。同社は全国300社以上へのkintone支援実績を持ち、自社開発プラグインは約800社以上に活用されており、信頼性の高さが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社キャップドゥー・ジャパン |
| 公式URL | https://kaizen-plugins.com/ja/plugins/19-entry-exit-management/ |
| 費用 | 有料(詳細料金は公式サイトにて確認) |
| 主な機能 | 在庫の差し引き自動計算・倉庫・店舗ごとの分け管理・在庫評価・低価格で機能拡張 |
| 対象 | 複数倉庫・複数店舗での在庫管理、より詳細な在庫管理ロジックが必要な場合 |
③QR・バーコード読み取りプラグイン
株式会社シーアイエスの「kinveniシリーズQR・バーコード読み取り」は、スマートフォン・タブレットのカメラでQR・バーコードを読み取り、kintoneのフィールドに直接入力できるプラグインです。一覧画面・詳細画面どちらからでもカメラを起動でき、入出庫時の手入力ミスやヒューマンエラーを防止します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社シーアイエス(CIS) |
| 公式URL | https://www.cisjp.com/kinveni/qr/ |
| 費用 | 有料(詳細料金は公式サイトにて確認) |
| 主な機能 | スマホ・タブレットカメラでQR/バーコード読み取り・一覧画面・詳細画面のどちらからでも起動可 |
| 対象 | 現場での入出庫登録を効率化したい場合・手入力ミスをゼロにしたい場合 |
④バーコードでPi!
株式会社アイティーフィットの「バーコードでPi!」は、ハンディターミナル(キーエンス・カシオ等)やAndroidスマホ・USBバーコードリーダーに対応した本格派バーコードプラグインです。JANコードスキャンで在庫数を増減するほか、Type-AではGS1-128コード解析や他アプリの在庫数更新など高度な連携も実現できます。工場・物流倉庫など本格的なバーコード運用に向いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社アイティーフィット |
| 公式URL | https://www.itfit.co.jp/barcodedepi-kintone-plugin/ |
| 費用 | 有料(詳細料金は公式サイトにて確認) |
| 対応端末 | Androidスマホ(カメラ)・ハンディターミナル(キーエンス・カシオ等)・USB/Bluetooth接続バーコードリーダー※iPhone/iPadのカメラ読み取り非対応 |
| 主な機能 | バーコードスキャンでレコード自動作成・在庫数更新・複数バーコード値の連続読み取り |
| 対象 | 製造業・物流倉庫など本格的なハンディターミナル運用が必要な場合 |
プラグイン選定のポイント
- 【まず試す】在庫管理の自動集計はTISから始めるのがおすすめ
- 【複数倉庫・店舗管理】倉庫・店舗分け管理が必要ならキャップドゥー・ジャパンの入出庫管理プラグインが適切
- 【バーコード導入】スマホカメラ中心ならCISkinveni・ハンディターミナル本格運用なら「バーコードでPi!」を選ぶ
- プラグインはスタンダードコース(月額1,800円/人・税抜)以上が必要。ライトコースでは利用不可
- 導入後の設定・カスタマイズに不安がある場合は、kintone認定パートナーへ相談すると確実
kintoneで在庫管理を行う際の注意点・デメリット
kintoneは非常に優れた在庫管理プラットフォームですが、利用にあたっては以下の注意点も把握しておきましょう。
注意点①同時編集によるデータ競合
kintoneは複数人によるレコードの同時編集には対応していません。大量の入出庫処理が同時に発生する場合、処理が失敗し再入力が必要になることがあります。これはサイボウズのデベロッパーネットワークでも明記されている制約です。
対策としては、入出庫処理のタイミングを分散させるルール設定や、リビジョン管理機能を活用することが推奨されています。
注意点②プラグインはスタンダードコース以上が必要
kintoneのライトコース(月額1,000円/人・税抜)ではプラグインが使用できません。在庫管理でプラグインを活用したい場合は、スタンダードコース(月額1,800円/人・税抜)以上を選択する必要があります。
注意点③バーコード・ハンディスキャナー連携には設定が必要
倉庫現場でのバーコードスキャンによる入出庫登録は、外部プラグインや追加設定が必要です。標準機能のみでは対応できないため、プラグインの導入やカスタマイズを検討しましょう。
注意点④複雑な在庫計算はカスタマイズが必要な場合がある
ロット管理・先入先出法(FIFO)・重量管理など、高度な在庫管理ロジックは、kintoneの標準機能だけでは対応が難しい場合があります。JavaScriptカスタマイズやプラグインの組み合わせで対応可能ですが、専門パートナーへの相談を推奨します。
【業種別】kintone在庫管理の導入事例3選
kintoneの在庫管理は、業種・職種を問わず幅広く活用されています。以下に、代表的な活用イメージを業種別にご紹介します。
事例①製造業の部品在庫管理(社員30名・工場1拠点)
課題
紙台帳での部品管理のため、欠品発見が遅れ、生産ラインが止まる事故が年4〜5回発生。棚卸に1日以上かかっていた。
kintone活用後
スマートフォンから入出庫をその場で登録する仕組みを構築。在庫アラート通知により欠品発生がゼロに。棚卸時間も半日以下に短縮。
事例②小売業の複数店舗在庫管理(3店舗・EC併用)
課題
3店舗+ECサイトの在庫がバラバラに管理されており、「どの店舗に在庫があるか」の確認に電話・LINEでやり取りが必要。在庫の二重販売が発生していた。
kintone活用後
全拠点の在庫をkintoneで一元管理。店舗間の在庫移動もアプリで記録し、ダッシュボードで全在庫をリアルタイム可視化。EC連携もプラグインで実現。
事例③医療・福祉施設の備品・消耗品管理
課題
手袋・マスク・医療消耗品を複数部署が紙で管理。コロナ禍の備蓄管理が混乱し、緊急発注が頻発していた。
kintone活用後
施設内全部署の消耗品在庫をkintoneで一元管理。発注トリガー通知を設定し、備品切れゼロを実現。感染対策備蓄の適正水準管理にも活用。
よくある質問(FAQ)
Q1.kintoneは在庫管理専用のシステムですか?
いいえ。kintoneは汎用的な業務アプリ開発プラットフォームです。在庫管理はその活用例のひとつに過ぎません。顧客管理・日報管理・プロジェクト管理なども同じkintone上で構築・運用できます。
Q2.kintoneで在庫管理を始めるまでどのくらいかかりますか?
公式のサンプルアプリ「製品在庫管理パック」を使えば、kintoneのアカウント作成後すぐに基本的な在庫管理を開始できます。ただし、自社業務に合わせたカスタマイズや複数アプリの連携設計が必要な場合は、1〜2週間程度のセットアップ期間を見込むと良いでしょう。
Q3.kintoneでバーコード管理はできますか?
はい、対応可能です。kintoneのモバイルアプリを活用してスマートフォンカメラでバーコードスキャンができるほか、ハンディターミナルとの連携やバーコード対応プラグインを使うことで、より本格的な倉庫管理が実現できます。
Q4.無料で試すことはできますか?
kintoneには30日間の無料トライアルがあります(サイボウズ公式サイトより申し込み可能)。トライアル期間中も在庫管理アプリの構築・動作確認が行えます。
Q5.Excelからkintoneへの移行は難しいですか?
kintoneにはCSV(Excelファイルをエクスポートしたもの)のインポート機能があるため、既存のExcelデータを移行することができます。ただし、フィールドの形式合わせなど一定の作業は発生するため、移行時は専門パートナーのサポートを活用するとスムーズです。
まとめ:kintone在庫管理で業務をスマートに変える
本記事では、kintone(キントーン)を使った在庫管理システムの構築方法を、以下の内容で解説しました。
- 在庫管理の課題(紙・Excel・既製システムの限界)
- kintoneが在庫管理に適している理由
- kintoneで在庫管理を行う5つのメリット
- 構築のステップ(STEP1〜5)
- 活用できるおすすめプラグイン4選(TIS・キャップドゥー・CIS・アイティーフィット)
- 注意点・デメリット4つ
- 業種別導入事例3選(製造業・小売業・医療福祉)
- よくある質問(FAQ)5問
kintoneによる在庫管理は、ノーコードで構築・カスタマイズできる柔軟性とクラウドによるリアルタイム管理という2大メリットにより、中小企業から大企業まで幅広いニーズに対応できます。
しかし、「自社に合った設計ができるか不安」「プラグインの選定や設定が難しそう」と感じる方も多いはずです。そんな方は、kintone専門の導入支援パートナーのEDSエンターテイメント(環境デジタルソリューション株式会社)へお気軽にご相談ください。